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古い洋館を見て思うこと(その2) ~決して“古く”ならない佇まいを住まいに~
2025年09月22日
ようやく秋めいた日も増えてきた感じが致しますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
さて前置きは簡単にさせて頂いて、本題に入りましょう。まず、お時間がある方は過去に掲載したブログ記事「古い洋館を見て思うこと ~継承される文化~」をちょっとご覧いただいても良いかと思います。昨年(2024年)5月に掲載した記事では、長野県須坂市にある歴史的な公共建築物を通じて、そのデザインの流れが現代の家づくりにも受け継がれているといった内容を書きました。今回はまた長野市近郊にある建造物を見る機会がありましたので、「古い洋館を見て思うこと(その2)」として、感じたこと・思ったことを簡単に記してまいりたいと思います。もちろん写真もご紹介します!
●明治時代の洋館に見入る
長野市から戸隠方面へと向かう通称「バードライン」という自然豊かな景色の中を走る道路。左側にゴルフ場、右に行くと飯縄山登山口というあたり。少しだけ森の中に入ったあたりにその建物は佇んでいます。講釈は後にして、まずは管理人Nが撮ってきた写真をご覧下さい。
この建物の名称は「旧ダニエル・ノルマン邸」。建築は明治37年(1904年)と、なんと120年以上も遡ります。少し調べたところ、ダニエル・ノルマンさんはカナダから来日したキリスト教の宣教師。当時の日本家屋に住むことを避け、西洋建築の住まいを自身で設計。建築は日本の大工さんが担当したそうです。西洋建築は極めて珍しかったと思われる時代、当然経験も無かったはずの日本の大工が施工に対応できたのは凄いことだと思います。また、設計を行ったノルマンさんは宣教師。建築の専門家ではないのに住宅の設計をやり遂げられたことにも驚きます。当時の北米でどう住まいが建てられていたか、豊富な知識を持っていたのでしょう。もちろん、施工を担当した大工さんと細かくすり合わせをしたであろうことは想像に難くありません。
なお、この建物は当初長野市中心部に建てられ、ノルマンさんが去った後は昭和44年まで地元建設会社の副社長が住居として使用。その後、建築文化史上の重要さから現在地に移築されたとのこと。貴重さと価値が認められ、昭和46年には長野県宝に指定されています。
●現代でも見られる要素がたくさん
さて建物をざっと見てみましょう。感じたことを端的に申し上げますと、120年前の建築様式の中に現在当社が手がけている建物にも取り入れている要素が多く見受けられます。まずは玄関ポーチ。小規模ながらカバードポーチの様式が見て取れます。また、ポーチに立つ柱の上部に梁を支えるような意匠も現代の輸入住宅によく見られるもの。シングル(またはダブルかも)ハング窓や、アーリーアメリカンの代表的な外壁スタイルであるラップサイディング、数は一つだけですがドーマー窓も備えています。幾分複雑なパターンを描く屋根は当社がつくるお住まいの屋根を彷彿とさせるものがありますね。
●古くなることがない北米スタイルのお住まい
前述の通り、120年もの時を経ても、2025年に当社が建てさせて頂いているアメリカンな住宅には今回訪れたダニエル・ノルマン邸と共通の要素や空気感があります。つまり、ある意味「完成されたもの」であると言えましょう。
これは以前から折に触れて書かせていただいていることですが、アメリカンな住宅のデザインや佇まいは年数を経ても「古く見える」ことがありません。お住まいは新築して完成した時がゴールではなく、そこで暮らされる方の新しい歴史の始まり。いつまでも「建てて良かった」と思える住まいの価値は高いと考えています。
当社が手がけるお住まいは、全て自由設計です。通常、お客様のご要望をヒアリングして当社が最適な外観スタイルやプランをご提案させていただいていますが、もしも今回訪れた旧ダニエル・ノルマン邸のような歴史的な住宅の佇まいに憧れを抱かれている方がいらっしゃいましたら、ぜひご相談ください。アメリカンな住宅の歴史に裏付けられた様々なセオリーを知るビルダーとして、可能な範囲で力を尽くしたいと思います。
ではまた!
(ご参考)こちらは当社が手がけたお住まいです
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