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古い洋館を見て思うこと ~継承される文化~

2024年05月29日

初夏を思わせる日も少しずつ増えてきたこの頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
さて、先日私・管理人Nは所用で長野市のお隣にある須坂市に行ってきたのですが、そこで見てきた歴史的な建物を撮影してきた写真を交えて少しご紹介したいと思います。さっそくこの写真をご覧下さいませ。

左右対称のスタイルが特徴的な洋館です

この建物は「旧上高井郡役所」。大正6年の建築とのことですので既に100年以上が経過しています。調べたところ、当時は県議会と市町村議会の中間に位置する群議会があり、主にその会議や事務を行う施設として建てられました。その後地方自治の制度改革もあって長野県が出先庁舎などとして使用することとなり、近年は保健所等にも使われるなどした後に地元須坂市へ移管され、全面改修を経て現在は市民のための施設として活用されています。

注目すべきはその外観です。シンメトリー(左右対称)な建物の真ん中に車寄せと玄関を置き、上部にはバルコニー。ドイツ下見で造られているという外壁に、上下に開閉するハング窓。建築様式としてはヨーロッパ発祥のバロック建築の系譜を辿っているものとされ、寄棟造りに瓦葺きの屋根が日本の建築であることを示しています。建築当時の公的な建物に採用されることが多かったというバロック様式ですが、その優雅さに目を奪われて思わずじっくりと眺めてしまいました。

各部の意匠が素敵でずっと眺めていられます

歴史を感じる階段

この旧上高井郡役所の佇まいですが、このブログを読んでいただいている方の中には「ん?ちょっと見たことあるような…」と思われる方も多いかも知れません。そう、左右対称に造られている点など、当社が手がけてもいる「ジョージアンスタイル」のお住まいとの共通点を感じられるのではないでしょうか。

それもそのはず、北米住宅のジョージアン様式は18~19世紀のイギリス建築の流れを汲むものであり、そのジョージアン様式はそれ以前の16~18世紀初頭までヨーロッパ諸国で広まっていたバロック建築の特徴を取り入れたものと言われているのです(余談ですが、当ブログでもジョージアンスタイルのお住まいについて書いたことがありますのでお時間ありましたらご覧ください→リンク)。

 

上の写真は当社でお造りした松本市のN様邸です。ジョージアンスタイルの荘厳さが写真越しにも伝わってきますね。今回立ち寄った旧上高井郡役所の建物を目にした時、私もすぐに北米住宅のジョージアン様式を思い浮かべました。藤岡備建の輸入住宅は、当社の設計士が実際に北米で家づくりを経験し、今も変わらず研究を重ねながらプランづくりや設計に取り組んでいます。つまり、そこには何世紀も前からの建築文化の流れが間違いなくある。そんなお住まいに住むということは、継承された文化の中で暮らすことになるのではないか。そんなふうに私・管理人Nは思うのです。

 

もし機会がありましたら、皆さまも旧上高井郡役所を訪れてみてはいかがでしょうか。会館中は見学が可能です。ただ、市民の方々が使用されている部屋がある場合はその部屋はご覧になれませんのでご注意くださいね!

◎旧上高井郡役所(信州須坂観光協会のサイト)
https://www.suzaka-kankokyokai.jp/contents/midokoro/138.html

 

ではまた!

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