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歴史的邸宅に見る建築様式 ~輸入住宅の祖先を訪ねて思うこと~
2016年10月26日
皆さんお元気ですか?
いよいよ寒い季節がやってきました。風邪ひきそうな管理人Nです。
さてさて、皆さんは明治時代に日本で建てられた西洋建築の建物をご覧になったことがありますでしょうか?長野県にも所々に明治時代に建てられた西洋建築の建物があります。言ってみれば私たちが手がけているアメリカ輸入住宅のご先祖様ですよね。その歴史的な建物の中に身を置くと、時間の進み方が変わるような気持ちにさえなってきます。
そんな建物を今回はちょっとだけご紹介したいと思います。
まず最初は松本市にあるこちらの建物。明治中期に松本市内のカトリック教会の司祭館として建てられたもので、平成に入ってから取り壊し寸前だったものを松本カトリック教会が松本市に寄贈し、現在地の開智公園に移築・復元したものです。
建築当時の神父さんはフランス人。建築様式はシンメトリーなデザインのジョージアンスタイルと言えそうです。では写真をご覧下さい。写真に雪が写ってますが「いつ撮ったんだオイ!」というツッコミはご容赦下さい!(笑)
続けざまにもう一つの建物を紹介しましょう。こちらの建物は、今は長野市と合併している信州新町の美術館の隣にある「有島生馬記念館」です。画家で作家の有島生馬が鎌倉で50年間暮らした住まいを、疎開先でもあった信州新町に移築・再生して記念館にしたもの。元々はやはり明治中期にイタリア人貿易商が建てた邸宅で、有島生馬が住み始めたのは大正10年からとのこと。建築様式はコロニアルスタイルで、赤茶色の壁色は建築当時の色を忠実に再現して再塗装されています。
2つの建物をご覧いただきましたが、どのようなご感想を持たれましたでしょうか?
双方とも「クラシカルな建物だな」とは感じても、決して古臭く感じることはないのではないでしょうか。現代の一部の日本の住まいに見られる「時を経るごとにデザインが陳腐化してしまう」というものとは全く無縁の世界です。これらが130年近くの時を経た建物だと思うと、とても感慨深いものがあります。
写真をよく見ると、窓に添えられているサイドシャッターなどは当たり前ながらその役目を果たすようにきちんと開閉できるようになっています。現在は住宅や窓そのものの性能が向上しているので、輸入住宅のデザイン面での大きな要素の一つとして残されているものです。こうしたパーツは、当時から機能とデザイン面の両方を考えて備えられていったのではないか、と私は思っています。だから、今もアメリカの住まいのアイデンティティの一つとして残っているのではないでしょうか。
当社が建てる輸入住宅は、こうした建物の系譜を忠実に受け継いた設計のもとで作られています。それが何を意味するか。これは以前もブログで書いたことでもありますが、私どものつくる輸入住宅はどんなに年月を経ても決して「古臭く」はなりません。極端に言えば、お隣さんに新しいお住まいが建ったとしても比較する意味がありません。
何故なら、当社の輸入住宅は「伝統を受け継いだデザイン」だからです。必要なメンテナンスさえ行っていけば、子や孫の世代にまで「素敵な住まい」として遺せる住まいだと自負しています。
今日ご紹介したような築100年を超える建物はアメリカにはまだまだ数多く残っています。当社社長は定期的にアメリカに渡り、その伝統をしっかりと吸収しています。住み心地に関わる最新の技術は取り入れつつ、決して古びない輸入住宅のデザイン。これからも皆さんに心から「建てて良かった」思ってもらえる住まいづくりに取り組んで参ります。
ではまた!