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古い洋館を見て思う事(その3)~明治の建物に感じる洋風建築の息吹~

2026年06月23日

皆さんお元気ですか?暑さを感じる日も多くなってきましたね。さて、このブログでは出先で見かけた古い洋館をご紹介し、私(管理人N)が思ったことをお伝えする、という記事を過去にもアップして参りました(こちらとかこちら)。今回は「その3」として長野県中野市にある洋館をちょっとご覧いただきたいと思います。まずはこちらの写真をキャプションなしでどうぞ!

 

 

こちらは「中野小学校旧西校舎」といいます。正面から見ると、非常に堂々とした風格のある雰囲気が伝わって来ますね。中野市の有形文化財にも指定されています。建てられたのは明治29年(1896)。なんと今から130年も前!そこからたった30年さかのぼるだけで幕末の時代。そう考えると感慨深いものがありますね。

 

写真の右下に映る看板でこの建物の成り立ちを説明してくれています。それによると、この建物は中野尋常小学校の校舎として建設されたもので、近くにある中野小学校の敷地内にあったものの一部を文化財として現在の一本木公園内に移築復元したもの。瓦屋根でありながら2階にテラスを設け、柱に豪華な装飾を施している外観は明治中期の西洋建築の特色とのことです。

 

下見板張りの外壁は今でも北米住宅のスタンダードとして素材を変えて残るスタイル。玄関を中心に左右対称としているフォルムは、ジョージアンスタイルを彷彿とさせてもいますね。玄関・テラスを近くで見ると、柱などとても贅沢な意匠でつくられていることがわかります。

ずっと見ていたくなる玄関とテラス

 

室内も見学することができました。天井は日本建築でおなじみの竿天井仕上げとなっている箇所が多い印象ですが、豪華な細工を施した階段の手すりやいくつかの部屋で見られる壁と天井の境目を飾るモールなどは当社でつくるお住まいでも頻繁に採り入れている北米スタイル。テラスに出るドアの上部にあるオーバル型のフィックス窓にも同様のことが言えるかと思います。

 

階段の手すりは今のデザインにも通じるもの

 

ドア上のフィックス窓は今でも見られるデザイン

 

また、随所に見ることができる建具のデザインもアメリカンなお住まいを知る方にとっては見慣れたものではないでしょうか。

 

当社の住まいで用いる建具にも似たデザイン

 

Wikipediaによると、北米におけるツーバイフォー工法の発祥は1800年代。「開拓者が自らつくるキットハウスがその原型」とあるので、プロフェッショナルな建築家でなくても限られた材料で合理的に建てられるようキット化された家づくりが元となったのでしょう。その後北米で発達していく際、細部の装飾や意匠は移民のルーツであるヨーロッパの家づくりで用いられたものが取り入れられていったのではないかと個人的には推察されます。そして日本に伝わったのは明治のはじめ頃。北海道の開拓民住宅で採用されたのが最初だといわれているようです。同時期に建てられた札幌の時計台などは、現在も残るツーバイフォー工法を用いた歴史的建築物です。

 

話を中野小学校旧校舎に戻しましょう。この建物は明治中期の建築です。ツーバイフォー工法が用いられているかどうかははっきりと確認できませんでしたが、竿天井や寄棟造りの瓦屋根が採用されているのを見ると当時の洋風建築物を参考に日本の大工さんたちがつくり上げたものなのかも知れません。「ツーバイフォー工法=木造枠組壁工法」としての技術基準が国内で定められたのはまだ幾つもの時代を経た後。それでもこの建築物が日本における洋風建築の息吹を感じさせるものであることは間違いないと言えましょう。つまり、ツーバイフォー工法を用いた藤岡備建の輸入住宅の源流の一つなのです。

 

当社施工の長野市N様邸。随所に伝統を感じられるデザインです

 

日本建築に比べればまだまだ歴史は浅いのは確かですが、それでも200年近くの歴史を刻んできたツーバイフォー工法。既に一つの「伝統建築」と言えるのではないでしょうか。その伝統に則って建てるお住まいを皆様にお届けするため、当社は常に設計力・技術力向上に努めています。

 

ツーバイフォー工法は元々合理的(≒経済的)な家づくりとして成り立ってきた側面もあります。よくお客様から「全然手の届かない家だと思っていました」と言われることがあるのですが、必ずしもそんなことはありません。ご興味がある方はお気軽にお問合せ・ご相談下さいませ。

ではまた!

 

古い洋館を見て思う事(その3)~明治の建物に感じる洋風建築の息吹~

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